菓子職人がピザの道へ、その出発点
PIZZA Gran-Boisを手掛けるのは、長年パティシエとして働いてきた人物です。フィナンシェとの出会いが菓子づくりの道へ進むきっかけだったといい、当時感じた香ばしさやバターの風味への思いは、今も店の商品づくりに息づいています。本格的な味わいをより気軽に届けたいという想いから、二俣川周辺にテイクアウト専門のナポリピザ店を構えました。菓子の世界で培った感覚が、ピザという別のジャンルに移し替えられている点が、この店の成り立ちを面白くしています。
その経験は焼き菓子にはっきり表れます。ピザ窯の熱を利用した石窯オーブンで焼くフィナンシェやマドレーヌ、ガトーショコラは、遠赤外線で火を通すことで水分が飛びにくく、しっとりと仕上がります。150円という価格で、職人仕込みの一品が手に入る形です。
生地への向き合い方に残る職人気質
菓子職人としての細やかさは、ピザ生地への姿勢にも通じています。使うのはイタリアのカプート社の小麦粉で、冷蔵庫で数日間かけて低温熟成させ、ポーリッシュ法という長時間発酵の手法で仕込みます。低温でじっくり寝かせることで酸味が抑えられ、小麦本来の香りや甘みが引き出される作り方です。家庭では再現しにくい味を、お手頃な価格で楽しめるようにという考えが根底にあります。
生地を無駄にしない工夫も、日々の営業に組み込まれています。その日使い切れなかった生地はパニーニに姿を変え、発酵の進んだ生地ならではの深い香りともちっとした食感を持つ一品になります。素材を最後まで活かそうとする姿勢は、一枚ごとに丁寧に向き合う職人の仕事ぶりそのものです。
環境への配慮を組み込んだ焼成方法
PIZZA Gran-Boisが選んだペレット窯には、味と経営、そして環境への視点が同居しています。木の端材を圧縮したペレットを燃料に、薪窯と同じ550℃で一気に焼き上げる方式で、端材を使うため木を余さず活用できます。地球環境へ配慮しながら一枚ずつ丁寧に焼くという運営方針が、この窯の選択にそのまま表れています。
薪よりも燃料費を抑えられるため、その分をピザの価格に反映できるという実利もあります。25cmのマルゲリータが1,200円で提供できる背景には、こうした窯選びの判断があるわけです。菓子職人としての出発点から、素材選び、生地作り、焼成方法まで、一本の考え方が通っているのがPIZZA Gran-Boisという店です。


