9カ月の栽培準備が生み出す、宜野座村のいちご体験
毎年3月に苗づくりを始め、開園する翌年1月まで約9カ月をかけて育て上げる。かふうイチゴ園のいちごは、この長い助走期間を経てようやく来園者の手に届く。園主は2年間の研修を修了してから農園を立ち上げており、栽培技術の土台がしっかりしている印象を受ける。「おいしいいちごを食べてほしい」という一貫した思いが、日々の作業を方向づけている。
個人的には、開園前に9カ月も準備するという事実がいちばん印象的だった。沖縄の気候のなかでいちごを安定して実らせるには、温度管理や水やりの加減に相当な手間がかかるという。観光農園と聞くと気軽なイメージが先行しがちだが、かふうイチゴ園の場合は裏側の労力がかなり重い。来園者がハウスに入ったとき赤く色づいた実が並んでいるのは、その積み重ねの結果にほかならない。
よつぼし・かおりの・すず・はるひを摘み比べる40分間
40分の食べ放題で、よつぼし・かおりの・すず・はるひの4品種を自由に摘んで味わえる。品種によって酸味と甘みのバランスが違うため、ひと株ごとに味が変わる感覚が新鮮だという声が目立つ。高設栽培を導入しているので、しゃがまずに立った姿勢のまま収穫できる。小さな子どもや足腰に不安のある高齢者でも無理なく楽しめる設計になっている。
練乳は持ち込み自由で、園内でも購入できる。摘みたての実にそのままつけて食べる人もいれば、何もつけずに品種の違いを確かめる人もいるらしい。家族連れで訪れると、子どもが好きな品種を見つけて何度も同じ列に戻る場面もあるようだ。食べ比べという行為自体がちょっとしたイベント感を生んでいる。
完全予約制とWebカレンダーで混雑を回避
かふうイチゴ園は完全予約制を敷いており、来園前にWebカレンダーから日時を押さえる仕組みを採用している。農作業の合間に電話を取るのが難しい状況もあるため、Web経由での申し込みが確実な手段として案内されている。予約枠が埋まれば受付が止まるので、ハウス内が混み合いすぎる心配がない。前日までのキャンセル連絡を求めている点も、他の来園希望者に枠を回すための配慮だろう。
「予約していたおかげでスムーズに入れた」と感じる利用者も多い。到着してから入園待ちが発生しないため、小さな子ども連れでも計画が立てやすい。沖縄旅行のスケジュールにあらかじめ組み込んでおけば、当日は時間どおりにハウスへ直行できる。予約制という仕組みそのものが、園内のゆったりした空気を維持する装置として機能している。
宜野座道の駅から車5分、北部観光の寄り道に
所在地は宜野座村宜野座1641番地。宜野座道の駅から車で約5分の距離にあり、沖縄北部をドライブする途中に立ち寄りやすい立地に位置する。開園期間は1月上旬から5月頃まで、営業時間は10時〜15時で定休日は月曜と金曜。料金は大人2,500円、小学生と75歳以上が2,000円、2歳〜未就学児が1,500円という設定になっている。
年齢区分が細かく分かれているため、三世代で訪れても費用の見通しが立てやすいと好評らしい。冬から春にかけての沖縄は観光シーズンと重なるので、ビーチ以外の体験先として候補に挙がる場面が増えている。名護や美ら海方面へ向かうルート上にあるため、午前中にいちご摘みを済ませて午後は別の目的地へ移動する、という使い方をする旅行者の姿も見られる。


